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2010年05月 アーカイブ

リグレイガム上陸 その3

当時の人々は、新しい菓子のガム=ゴムと認識していたようです。

チューインガムが「ヂンカモ」と聞こえたのも面白いですよね。

「ウォーター」が「ワラ」と聞こえるようなものでしょうか。

続いて池田氏は、「リグレーのチウインガム広告」と題して自らの体験を語っています。

「私が東京銀座(いま銀座東8丁目通り)のリグレー社売出しの一包(半ダース6枚入り)5銭で求めたのは大正5年春と記憶が蘇って来た。

大正11年紀元節(2月11日)栄養菓子『グリコ一粒300米』のスローガンで豆広告のグリコが出現した。

この年のリグレーチゥインガムの宣伝猛烈を極めて毎日毎日の新聞紙上を飾った。

これが大正4年以来のリグレー広告のピークであった。

この広告文中の「煙草代用」は森永製菓松崎専務の考案キャッチフレーズで前年から広く使用されていたので「リグレー」は之れに『世界的な代用品』を補訂広告文とした。

この頃の韻を合わせた名文・・・

紳士淑女煙草代用、小児青年滋養菓子、と愈々東半球耳を聾する歓迎の声。

急霰の拍手……今日のコピーライターには想像もつかないばかりであろう。

この米国直輸の広告文が我が広告界を刺激したことこのガムのための『提供記事』をチョイチョイ書いたのも注意すべきである」

ちょっと意味がわかりかねる文章でありますが、『提供記事』とは今でいうところのメーカーとタイアップした「パブ記事」でしょう。

『ゴム菓子』と呼ばれていたガム

菓子ゴムならぬ「ゴム菓子」という呼称は、明治42年に登場しています。

これは菓子新報の明治42年10月10日号に、同紙が米ニューヨーク、エキセルショール、パブリッシングハウスの製菓の新刊書を訳したものです。

「米国の最新製菓法第十九護誤菓子(チャイクルペースト)」とあります。

チャイクルとはおそらく「天然チクル」のチクルの読みであると思われます。

製造法を引用しますが、これを見るとバター味の板ガムだったようです。


「これを製するには、護護チャイクル一ポンド、ザラメ糖ニポンド、グラコース一ポンド、キャラメル製造用のバター一ポンド等を原料となすを要し、まず護護チャイクルを極めて細片に切砕し、尚、熱を加えて柔軟となし置き、別にザラメ糖及びグラコースを混和して煮鍋に入れ、それに少量の水を加えて火にかけ、砂糖がまつたく液体になるまで撹拝しつつ煮沸し、バターを注加し、更に二百四十五度(華氏検温器)の
熱度に達するまで煮沸して火を去り、四五分時放置し、後かねて温軟体にせられたる護誤をその鍋に入れ、へらを以って充分にかき混ぜ、かつ練るべし。

しかも、この混合物が柔軟に過ぎると思えば、少量の精良なる粒状糖を混合し、その硬度を増加せしむべし。

かくして混合物を大理石板上に注出し、鋼鉄製の棒状をなせる器具(なるべく重量の多大なるを良しとす)を以って押し延ばし、その表裏両面には極めて優等なる粒状糖を撒布し、その充分に冷却したるを見れば、成形機(サイジングマシン)にかけて條片となし、後、更に小形に細切すべし」

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