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2010年07月 アーカイブ

木材利用の変遷

原始時代、あるいは現在でも開発途上地域では、木材は燃料と簡単な住居用に使われるだけで、開拓時代は森林はむしろ邪魔者扱いされていました。


そうしたことが現在も大きな問題となっており、熱帯林の乱伐、そして砂漠化がとめどなく進んでいるという事態を招いています。


数千年前に発生した世界の四大文明をはじめ、多くの国家はおそらく砂漠や森林のないところにできたものではなく、森林は人々の生活に最も密接な関係にあったでしょう。


それは偉大な文化の開発に、また戦争の物質にと、極めて大きな役割を果たしてきたでしょう。


それゆえにこそ、それらの跡地は森林が伐りつくされ、砂漠化してしまったのです。


杜甫の詩に「国敗れて山河あり」とありまするが、事実は山はあれども木はなくなり、砂漠となってしまいました。


つまり、「山荒れて国滅ぶ」といいたいのです。

木材利用の変遷 2

紙の使用量は、文化のバロメーターともいわれます。


昔は和紙が全盛でしたが、今から約100年前、木材繊維を紙の原料として使う製紙技術が西洋から導入されました。


この「西洋紙」の原料はアカマツ、北海道や樺太のトドマツ、エゾマツといった針葉樹に限られていました。


当時の製紙王たる王子製紙(株)は伐採跡地の原木保続のため積極的な再造林を進めていたのです。


しかし、戦後、紙の消費も急速に増大しつつあった昭和30年頃になって、紙の質あるいはコストの面から原木は完全に針葉樹から広葉樹に変わってしまったのです。


これがパルプ革命です。

 
日本におけるアカマツ、トドマツ、エゾマツの占める比率は天然林はもちろん、前記のような事情から人工林でも極めて多いのです。


しかしアカマツは近代建築においてはほとんど使われず、パルプ資源としても完全に締め出された現在、木材としては無用の長物化してしまった感があります。


そこへ松くい虫の総攻撃ときては、利用の途が皆無であるため、立枯れの枯木の山と化し、それを放置することがさらに松くい虫被害の拡大に拍車をかける要因ともなっているのですから、この無情な因果関係に今さらながら想いを深くするものです。

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